2025.12.19
CG制作の費用相場|料金を左右するポイントと内訳を徹底解説
昨今、企業や製品のプロモーション活動にはCGが欠かせない存在となっています。製品の細部や質感までリアルに再現する、映像作品に効果や演出を加えるなど、さまざまな活用法があるため、カタログや広告、動画制作の際にCGが選択肢のひとつになることも多いでしょう。
しかし、初めてCG制作を検討する場合、どのくらいコストが掛かるのか、業者からの見積もりが妥当な金額なのかどうか、不安に思う方もいるかもしれません。
そこで今回は、CG制作会社の目線から、CG制作の費用相場や、制作費用の内訳について詳しく紹介します。料金を左右するポイントも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
CG制作とは

そもそもCGとは、コンピューターグラフィックス(Computer Graphics)の略で、その名のとおりコンピューターで画像・映像を生成する技術のことを指します。
一口にCGといっても、平面的な「2DCG」と、立体的な「3DCG」に分類されます。3DCGは実写のような高品質なグラフィックスを実現できる点が魅力ですが、制作に専門的な技術や機材が必要で、2DCGに比べてコストや納期もかかることが特徴です。
現代では一般的にCGという言葉は、特に立体的な表現を可能とする3DCGを指して使われることが多くなっています。
本記事では主に、3DCGの制作や費用相場についてご紹介します。
CGの制作料金相場
CGの制作料金相場は、目的・クオリティ・工程によって変わりますが、まず画像(静止画)と動画のどちらを制作するかで大きく異なります。
CG画像(静止画)
CG画像の制作費用相場は、1製品・1アングルあたり7万円〜15万円程度です。さらに、カット数やカラーバリエーションが増えると、その分費用が加算されていきます。
| 制作内容・品質の目安 | 制作費の目安/1点・1アングルあたり | 用途 |
|---|---|---|
| 簡易な3Dグラフィック・CG画像 | 3万円〜/点 | ・PPT資料 ・社内提案/ラフ確認用 |
| 標準〜中品質 | 7〜15万円/点 | ・製品カタログ ・提案資料 ・Webサイト |
| 高品質・リアルな質感 | 20万円〜/点 | ・CM、広告 ・高級不動産パース |
また、CG画像の制作費はモデリングの複雑さ、質感・テクスチャ/ライティングの精度、解像度などによっても変動します。用途や予算に応じたクオリティで発注するようにしましょう。
CG動画(映像・アニメーション)
CG動画の制作費用相場は、1分あたり60〜120万円程度が目安です。静止画に比べて工程数が増えるため単価も大きく変わります。
| 制作費の目安 | 制作費の目安 | 用途 |
|---|---|---|
| 簡易なCG動画:10秒 (短尺・単一カット・回転などの基本アニメーション) | 10万円〜 | ・簡易なデモ説明 ・社内提案/ラフ確認用 |
| 実用的な短尺動画:1分 (企画・BGM・編集込み) | 60〜100万円前後 | ・製品紹介 ・Web用プロモーション |
| 高品質・演出重視:1分 (円滑なカメラワーク・エフェクト・複数オブジェクト・キャラクターなど) | 120万円〜 | ・企業PR・CM ・展示会 |
制作する動画の規模や求めるクオリティ、動画の構成の複雑さによっては数百万円の見積もりになる可能性もあります。
とはいえ、映像のすべてをCGで制作しようとする必要はありません。CG動画を部分的に活用するだけでも、映像としてのクオリティアップや視聴者の理解促進に充分に効果を発揮します。
CG制作の費用内訳
CG制作会社からの見積書には、次のような作業工程や内訳が記載されています。
- 企画・ディレクション
- モデリング
- テクスチャ・ライティング(質感と光の演出)
- リギング(動画制作の場合)
- アニメーション(動画制作の場合)
- レンダリング
- コンポジット・レタッチ
これらはCG制作に必要な工程ですが、どのような作業なのかイメージできる方は少ないでしょう。ここからはCG制作の見積書を理解するために、各工程の概要やコストの目安を簡単にご紹介します。
1.企画・ディレクション
「企画」とは、目的に応じたCGのアングルやテイスト、クオリティなどの方向性提案のこと。
一方、「ディレクション」とはCG制作プロジェクトのスケジュール管理・品質管理のことを指します。CG制作そのものではなく、CG制作を取りまとめる「ディレクター」にかかる人件費ともいえます。
もし、カタログや動画などの最終制作物もあわせて依頼している場合は、プロジェクト全体の企画や進行管理を指すこともあります。
企画・ディレクションにかかる費用は数万円程度から、プロジェクト規模によって変動します。
2.モデリング
「モデリング」はコンピューター上の3次元空間に3Dの立体物を作成する作業です。
設計図やCADデータ、デザイン画をもとに、製品、背景、キャラクターといった対象物を、専用のソフトウェアを使用して、立体的な形状データを作り上げます。
オブジェクトの複雑さやリアルさ、修正回数によって費用が変動するのが特徴です。建築物や工業製品など、精密な形状のオブジェクトをCGで再現する場合は、工数が増えるため、費用も高くなる傾向にあります。
3.テクスチャ・ライティング(質感と光の演出)

モデリング後に、素材感と光の表現を設定して、見た目を整える工程が「テクスチャ」と「ライティング」です。木材・金属・ガラス・布生地などの質感(テクスチャ)を設定し、照明(ライティング)を加えることで、リアルな印象を演出します。
テクスチャとライティングは、CGの最終的なリアリティや印象を左右する重要なフェーズであり、モデリングに次いで工数が大きくなりやすいポイントです。
4.リギング(動画制作の場合)
3DCG動画を制作する場合、3Dモデルを動かすための骨格(ボーン)やコントローラーを仕込む工程も必要です。これは「リギング」と呼ばれます。実際にモデルを動かして、徐々に調整していくため、後戻り・修正が発生しやすいことが特徴です。
可動範囲が広く、関節構造が複雑なモデルを制作するほど、リグングに掛かる工数(費用)は大きくなります。
5.アニメーション(動画制作の場合)
リギング済みのモデルを動かす工程が「アニメーション」です。キャラクターの演技、製品の動作説明、カメラワークなどを設定して、CG映像を仕上げていきます。
動きの滑らかさや尺の長さによって費用が大きく変動し、演出や表現の自由度もコストに直結するのも特徴です。また、モーションキャプチャを使う場合は別途費用が発生します。
モーションキャプチャ
人・モノの動作を、コンピューターで処理できる3次元データに変換する技術
6.レンダリング
ここまでの工程で作成したCGデータを、動画や静止画のデータ形式に変換し出力するのが「レンダリング」です。3DCGの制作には必ず必要な工程で、数時間~1日といった時間が掛かることもあります。
PCのCPUを使ったレンダリングが一般的で、これを「CPUレンダリング」といいます。レンダリングには高性能なPCを用いる必要があり、クオリティ(解像度・陰影・反射表現)に比例してレンダリング時間も増加するため、費用に直結しやすいことが特徴です。
また、CPUレンダリングではなく、「GPUレンダリング」や「クラウドレンダリング」を使うケースもあり、この場合も費用が変動します。
GPUレンダリング
レンダリング専用に設計された特殊なコンピュータープロセッサ(GPU)を用いる手法。GPUレンダリングは高速化しやすい一方、設定によって品質・ノイズ・表現幅が狭まることがある。
クラウドレンダリング
レンダリングできるクラウドサービスを用いる手法。レンダリング費用を抑えやすいことが特徴。
レンダリング費用は、静止画の場合は1枚5,000円〜、動画の場合は1分あたり数万円〜が目安です。
7.コンポジット・レタッチ
レンダリングした素材の色味・明るさ・質感を最終調整するのが「レタッチ」です。また、レンダリングで出力された素材を、一本の映像に仕上げる工程は「コンポジット」と呼ばれます。
これらの最終工程でテキスト(テロップ)やエフェクトの追加、ノイズ除去などを行い、CGコンテンツを完成させます。
コンポジット・レタッチにかかる費用は1カットあたり数万円程度が相場ですが、修正量や演出レベルによって変動するのが特徴です。テレビCM用途など、高い品質が求められるケースでは工数が増えるため、費用も高くなる傾向にあります。
CG制作の詳しいフローを知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:CG動画の制作フローを解説!押さえておきたいポイントからCG映像制作事例まで紹介
CG制作費用を左右するポイント
ここまで各工程ごとの費用目安について紹介しましたが、CG制作にかかる費用は、次のようなポイントで大きく左右されます。
- 制作物の種類
- CG化する対象物の種類
- アニメーションの有無
- CGの用途・使用媒体
- 素材・データの有無
- 納期
- 修正回数
- 依頼先
費用が変動する要因について、詳しく見ていきましょう。
CG化する対象物の種類
CG化する対象物の種類によっても、制作費用は変動します。対象物の種類としては、次の4つが代表的です。
- プロダクト
- キャラクター
- 建築物
- 背景
いずれの場合も、構造やテクスチャを細部まで作り込むほど費用が高くなります。とくに、CGキャラクターをゼロベースでデザイン・立体化する場合や、建築物や機械、工業製品のように精度が求められる対象をCG化する際は、予算に余裕を持たせておきましょう。
アニメーションの有無
CGをアニメーション化する場合も、費用が高くなりやすいです。
また、尺の長さ、動きの滑らかさ、演出表現によっても費用が左右されます。複雑な動作を加えたり、多数のキャラクターを登場させたりすると、高額になりやすいことは覚えておきましょう。
CGの用途・使用媒体(クオリティ)
CGの用途・使用媒体によっても、制作費用が大きく左右されます。使用目的や媒体によって、求められるCGのクオリティが異なるためです。
たとえば同じ3DCG動画であっても、Web広告やSNS動画などに使う軽量化重視の映像は比較的コストを抑えやすいですが、テレビCMや大型ディスプレイで使用する映像は高解像度・高品質が求められるため、費用が高くなります。
また、展示会・プレゼンで使用する映像には、さまざまな演出要素を加えるケースが多く、編集コストが増えやすいです。
素材・データの有無

製品の設計図・CADデータがある場合、それをCG制作会社に共有すると、ある程度の工数を抑えられるため費用を削減しやすいです。一方、ゼロベースでCGを制作する場合は、実物や写真をベースに仕様を検討したり、作業の試行錯誤や手戻りが発生したりしやすくなるため、修正・管理コストが大きくなります。
費用を抑えるためにも、CG制作に活用できそうなデータは漏れなく共有してみてください。
納期
短納期の場合、制作スタッフを増員したり、制作リソースを優先的に割り当てたりする必要があるため、相場より費用が高くなります。
相場通りの費用水準でCGを制作したい場合は、スケジュールに余裕を持たせておくことが大切です。
修正回数
修正回数が多いと、それだけ工数が増え、制作費用も増加します。
通常費用内での修正回数上限や、追加修正時の費用についてはCG制作会社ごとに扱いが異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
依頼先(制作会社・フリーランス)
CG制作の依頼先としては、専門の制作会社やフリーランスのクリエイターが選択肢として考えられます。
大手のCG制作会社に依頼すれば、TVCMでも見劣りしない高品質なCGや高度な演出表現が期待できますが、費用も高額になる傾向があります。
一方、フリーランスや小規模制作会社は安価な価格設定であるケースが多いですが、対応できる技術・品質にばらつきがあることも事実です。
また、制作会社やクリエイターにも得意分野があります。プロダクトCGが得意な会社、建物のCGパーツに特化したクリエイターなど、さまざまです。
CGの用途や求めるクオリティにあわせて、最適な依頼先を見極めることが重要です。
CG制作の費用対効果を高めるコツ
ここまで紹介した点をふまえると、CG制作の費用対効果を高めるコツとしては、次の5点が挙げられます。
- 完成イメージを明確にしてから制作を進める
- 必要なカット数や動画尺を整理する
- 用途に合ったクオリティで制作する
- 余裕を持った制作スケジュールを立てる
- 実績豊富なプロの制作会社に依頼する
それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
完成イメージを明確にしてから制作を進める
曖昧なイメージのままCG制作を依頼すると、モデリング(3DCG)やテクスチャの設定段階で修正を繰り返すことになり、それだけ費用が増えてしまいます。
また、リギングやアニメーションの工程に進んでから、後工程に戻って修正するとなると、大幅な追加コストが必要です。
CG制作を依頼する段階で擦り合わせを行い、できるだけ完成イメージを明確にすることがコスト削減の最初のポイントです。もし修正がある場合も、なるべく早い段階で伝えるようにしてみてください。
必要なカット数や動画尺を整理する
費用対効果を高めるためには、必要最小限のデータだけを制作してもらうことが大切です。そのためにも、あらかじめ必要なカット数や動画尺を整理しておきましょう。
最低限必要な動作だけに絞ってアニメーション化したり、モデルではなくカメラワークを動かす演出にしたり、費用を抑えつつクオリティを確保する方法もあるため、CG制作会社に相談してみてください。
用途に合ったクオリティで制作する

用途に適したクオリティで制作してもらうことも、費用対効果を高めるためのポイントです。
たとえば細部までこだわる部分と、簡略化しても問題ない部分に優先順位をつけておけば、モデリング工数を削減できます。
また、ただCG制作を依頼するのではなく、Web広告用途の軽量データで問題ないのか、それともテレビCM用途の高解像度・高品質データが必要なのか、見積もり段階で伝えておくことも重要です。
また、さらに大幅に費用を抑えたい場合は、3Dではなく実写やイラストなどの2Dで表現する、もしくは動画ではなく静止画にすることも検討してみてください。
余裕を持った制作スケジュールを立てる
先述したとおり、短納期でCGを制作する場合、さまざまな追加料金がかかります。無駄なコストを減らすためには、余裕のある制作スケジュールを立てることが非常に重要です。
また、各工程に十分な時間をかけることができれば、それだけCGの質を高める効果も期待できます。
実績豊富なプロの制作会社に依頼する
フリーランスや小規模制作会社に依頼すれば、安価にCGを制作できるかもしれません。しかし費用が安いからといって、低品質なCGしか制作できなければ、費用対効果が高いとはいえないでしょう。
とくに3DCGの制作には高度な技術が必要なため、一般的な企業がフリーランスに発注して、適切に品質管理することは現実的ではありません。費用対”効果”を考えると、やはり実績豊富なプロのCG制作会社に依頼するのがおすすめです。
CG MAKERSは、3DCGに関わるすべての工程にワンストップで対応している制作会社です。熟練の技術と制作ノウハウで、お客様のニーズに最適なCG・3DCGを提供しています。制作サービスや料金、制作フローはこちらからご覧ください。
3DCGの制作事例
CG MAKERSは、これまで業界・ジャンルを問わず数多くの3DCG画像・動画を制作してきました。
以下にいくつか事例を紹介するので、CG制作を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
カタログ用のプロダクト3DCG画像
こちらは業務用乾燥機の製品カタログ用に、プロダクトCG画像を制作した事例です。

カタログの表示を飾るメインビジュアルとして、リアルな質感にこだわって制作しました。
その他カタログ中面にも、製品説明絵ページやインデックスなど誌面デザインにあわせ、複数のカットを納品。実写と見紛うほどのフォトリアルな表現で、製品カタログ全体のクオリティアップに貢献しています。
Web広告用の3DCG画像
こちらはマットレスのWeb広告用3DCG画像です。

撮影が難しいマテリアルを、CGでダイナミックに表現。商品・素材のユニークさが一目で伝わるよう、アングルを工夫していることもポイントです。実写合成とグラフィカルな演出を組み合わせて、プレミアム感が伝わる魅力的なキービジュアルに仕上げました。
実写との合成部分も、違和感がないように細部まで丁寧にレタッチしています。
事業紹介用の3DCG動画
こちらは3DCGを取り入れた、建設会社の技術PR動画です。
建設現場で用いられている技術、たとえばドローンが自動で分析する様子などを、CGとアニメーションを使って表現しています。企業が実現したい未来の技術を可視化すべく、近未来的な表現にこだわっていることがポイントです。
実写だけで表現するのが難しい映像も、3DCGを活用すればリアルに再現できます。
また、こちらの事例では、当社がCG制作から映像ディレクションまでワンストップで対応させていただきました。
展示会放映用の3DCG動画
こちらはIC製品メーカー様の展示会用動画に3DCGを取り入れた事例です。
海外の展示会でも製品の特徴が伝わるよう、人物の動きやプロダクトをCGアニメーションを活用し映像化しました。モノトーン基調の映像の中で、プロダクトのみカラーの3DCGで表現することで、魅力を際立たせています。このように、複雑な製品や機能を映像で直感的に伝えたい場合にも、3DCGは効果的な手法です。
こちらの事例では、当社が企画構成・CG制作・グラフィック制作・映像編集までワンストップで対応しております。
バンパー広告用のプロダクト3DCG動画
こちらはバンパー広告用動画の演出として、3DCGを活用した事例です。
風邪薬の効能を力強く訴求するために、錠剤をインパクトのある3DCGアニメーションで表現。
一見シンプルな製品や商材でも、3DCG化することで、奥行きのある動きやライティングの演出が可能になり、ユーザーの印象に残る広告表現が完成します。
なお、こちらの事例はCG素材だけでなく、3DCG動画そのものも当社が制作しています。
まとめ
CG画像の制作費用は1製品・1アングルあたり5万円〜程度。CG動画の制作費用は1分あたり60〜120万円程度が相場ですが、CGで再現する対象物の種類や、アニメーションの有無、CGの用途などによって変動します。
また、発注に際になるべくCG制作費用を抑えたいと思う気持ちも自然なものです。しかしCGの制作にはハイレベルな技術が必要なため、費用だけを見て発注先を決めると、期待した品質に満たないケースもあるため注意しなければなりません。
費用対効果の高いCG制作を実現するためにも、ぜひ実績豊富で技術が確かなCG制作会社へ相談してみてください。
CG MAKERSは2D・3DCG動画はもちろんのこと、3Dグラフィックやデジタルアーカイブ、バーチャルツアーまで、幅広くCG制作に対応しています。お見積りは無料です。コストや媒体ごとのクオリティ最適化についてもご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。


