2026.08.25
【医療・ヘルスケア業界向け】3DCGの活用方法と制作事例を紹介
医療・ヘルスケア分野では、製品の魅力や強みをどう伝えるかが、マーケティング・PR担当者に共通する悩みです。実写では、内部の構造や動く仕組み、体への働きまでは伝わりにくく、表現に工夫が求められます。そこで有効な選択肢となるのが3DCGです。
本記事では、3DCG制作を数多く手がけるCG MAKERSの知見をもとに、医療・ヘルスケア業界で3DCGを使ってできること、活用シーン、費用の目安、制作事例、依頼時のポイントを解説します。3DCGの導入を検討している医療・ヘルスケア分野のマーケティング・PR担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
医療・ヘルスケア業界の3DCGでできること
医療・ヘルスケア製品のプロモーションは、実物の撮影に伴う制約が課題になりやすい領域です。内部構造の複雑さ、搬入の難しさ、開発段階での実機不在に加え、体への作用のように外から見えない要素も多く、実写では対応しきれない場面で3DCGが強みを発揮します。医療・ヘルスケア業界で3DCGを活用すると、主に次のことが実現できます。

- 内部構造や部品を精密に再現できる
- 動作や仕組みをアニメーションで説明できる
- 体への作用や使用イメージを可視化できる
- 大型・搬入困難・開発中の機器も撮影レスで映像化できる
- 質感・角度・カラーバリエーションを自由に出し分けできる
- 3Dデータを動画・画像・Web・展示会と多用途に使い回せる
それぞれ詳しく見ていきます。
内部構造や部品を精密に再現できる
3DCGを使えば、実写では映せない製品内部の構造や部品を精密に再現できます。内部の機構やセンサー、駆動部といった外から見えない部分が性能や強みを左右する製品では、外観の写真だけでは技術的な優位性が伝わりにくいという事情があります。
CADデータや設計データをもとにモデリングすれば、寸法・形状に忠実な内部表現が可能です。断面(ハーフカット)で見せれば、通常は視認できない部分の構造まで示せます。
動作や仕組みをアニメーションで説明できる
静止画では伝わりにくい動作や仕組みは、3DCGアニメーションで直感的に説明できます。医療・ヘルスケア製品は、駆動部がどう動くか、内部の機構がどう連動するかが機能理解の鍵になりやすい領域です。可動部の動きやモードごとの挙動、部品の連動をアニメーションで見せれば、テキストや写真だけでは伝わらない仕組みまで示すことができ、製品の機能や使い勝手を直感的にわかりやすく伝えられます。
関連記事:3D動画の作り方【企業向け】3Dアニメーションの種類や映像制作との違いも解説
体への作用や使用イメージを可視化できる
3DCGでは、製品そのものだけでなく、人体や体内の様子まで表現できます。製品が体のどの部位にどう働きかけるか、体の内側で何が起きるかを、実写では写せない視点でCG化できるためです。
マッサージ機器なら筋肉や関節への働きかけや振動が伝わる様子、サプリメントや医薬品なら成分が体内をめぐるイメージなど、目に見えない働きをアニメーションで表現できます。こうした様子が直感的に伝わると、製品の魅力が理解されやすくなります。
大型・搬入困難・開発中の機器も撮影レスで映像化できる
大型で搬入が難しい機器に加え、開発途中で実機がない製品や、衛生管理・出荷前の都合で撮影に出せない製品も、3DCGなら撮影せずに映像化できます。実機を用意して撮影する場合は搬入・設置・輸送の手間やコストがかかりますが、CADデータや設計データをもとにCG化すれば、実物がなくても構造や動作を表現できます。実機の準備や撮影が難しい状況でも、CGなら販促物や説明用の映像を用意できる点が大きな利点です。
実機がない状態で販促物を用意する方法は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:3DCG活用事例|実物なしで販促物を制作する方法とは?撮影不要でリアルに伝える手法を紹介
質感・角度・カラーバリエーションを自由に出し分けできる
3DCGなら、質感・アングル・カラーバリエーションを自由に出し分けできます。実写では機材やスペースの制約で狙えない真上・真下からの俯瞰や、製品に寄った接写、内部を覗き込むアングルも、CGなら制約なく設定できます。撮影では伝わりにくい質感や複数のカラー展開も、1つのモデルから出力可能です。媒体ごとに最適なビジュアルを効率よく用意できます。
ただし医療・ヘルスケア分野では、実物以上に性能や質感を優れて見せる表現は景品表示法上のリスクになるため、実態に即した表現にとどめる必要があります。
3Dデータを動画・画像・Web・展示会と多用途に使い回せる
一度制作した3Dモデルは、動画・静止画・Webサイト・展示会パネルなど、さまざまな媒体に再利用できます。実写の場合、媒体ごとにアングルやカットを撮り直すのが一般的ですが、3DCGなら同じモデルからそれぞれに合わせた出力を用意でき、追加の撮影が要りません。
同じモデルを使い回すことで、媒体をまたいでもビジュアルのトーンを統一でき、製品ブランドの一貫性を保てます。
医療・ヘルスケア業界の3DCG活用シーン
医療・ヘルスケア業界では、社外向けの発信から社内・現場向けの説明まで、幅広い場面で3DCGが取り入れられています。主な活用シーンとして、次の4つが挙げられます。
- 学会・展示会での製品紹介
- 商談・営業での製品説明(動画・カタログ・パンフレット等の資料)
- 操作説明・マニュアル動画
- 自社サイト・製品ページでの情報発信
それぞれ詳しく見ていきます。
学会・展示会での製品紹介
学会や展示会では、大型機器を持ち込まずに3DCG映像で製品を紹介できます。搬入が難しい機器でも、モニターやスクリーンに映せば、構造・動作・特長を来場者にわかりやすく伝えられます。専門家が集まる学会でも、多くの来場者が行き交う展示会でも、伝えたい相手に合わせて見せ方を調整できます。輸送費や設営の手間を抑えられるのも、実物を運ばずに製品をリアルに見せられる3DCGならではです。
実機を持ち込めない製品でも、その構造や動作を来場者に伝えられる点が大きな利点です。
関連記事:展示会用動画のCG制作事例 – 企業の技術力を訴求するプロモーション –
商談・営業での製品説明(動画・カタログ・パンフレット等の資料)
商談や営業の現場でも、実機を持ち込めない場面は多くあります。大型の機器や開発中の製品はその場に用意できないことが多く、口頭の説明だけでは内部構造や動作が伝わりきりません。
3DCGで制作した動画やカタログ、パンフレットがあれば、実物がなくても製品の仕組みや特長をその場で示せます。商談で使う動画と、置いて帰るカタログ・パンフレットを同じ3Dデータから用意できるため、その場の説明から後日の社内検討まで一貫した資料で支えられます。
操作説明・マニュアル動画
医療機器では、操作手順や使い方を3DCGで正確に示せます。実機に触れられない環境でも、手順や動作を映像で繰り返し確認できるため、医療従事者向けのトレーニングや、導入前後の操作説明に活用されています。拡大やスロー再生を使えば、細かな手順や動きも、実写より分かりやすく伝えられます。
操作や手順を映像で正確に示すことで、使い手の理解を助け、現場での安全な運用につながります。
自社サイト・製品ページでの情報発信
自社サイトや製品ページでは、3DCGで作り込んだビジュアルが製品の魅力を高めます。実写では難しいアングルやライティング、質感表現を用いれば、静止画1枚でも製品を印象的に見せられます。動画で動作や内部構造まで加えれば、さらに情報量が増します。作り込んだ3DCGのビジュアルは、Web上で製品の魅力を引き上げ、他社ページとの印象の差につながります。
医療・ヘルスケア業界の3DCG制作にかかる費用の目安
3DCG制作の費用は、表現内容と工程の作業量によって変動します。動画の場合、1分あたり60〜120万円程度が一つの目安です。静止画(3Dグラフィック)は、1製品・1アングルあたり5万〜15万円程度が目安で、点数や形状の複雑さ、質感の作り込みの度合いによって費用が変わります。
CADデータがあれば形状の再現精度が上がり、モデリング工数の削減にもつながります。一度モデルを制作すれば、そこからカラーバリエーションやアングル違いを追加する際は、初回制作より費用を抑えられます。写真撮影と単純に比較して安いとは限らず、初期の制作コストと、その後の展開のしやすさを合わせて判断することが重要です。
見積もりを取る際は、モデリング・質感設定・シーン設定・アニメーション・レンダリング・編集といった工程ごとの内訳を確認することで、どこに費用がかかっているかを把握できます。上記はあくまで一般的な目安のため、具体的な費用は制作内容にもとづく見積もりで確認することを推奨します。
CG制作の費用相場や依頼の流れについては、以下の記事をご覧ください。
関連記事:CG制作の外注方法|費用相場・依頼の流れ・選び方を解説
医療・ヘルスケア業界の3DCG制作事例
ここでは、CG MAKERSが手がけた医療・ヘルスケア分野の3DCG制作事例を紹介します。実現したい表現に近い事例を、導入検討の参考としてご覧ください。
- 医療機器の機能をCADデータから精密にCG化した事例
- 実写と3DCGを合成し内部構造まで見せた事例
- 製品の動きと体への作用を3DCGで可視化した事例
- 既存の3Dデータを流用し短納期・低コストで制作した事例
- 医薬品(錠剤)を高品質な製品CGで表現した事例
順に紹介します。
医療機器の機能をCADデータから精密にCG化した事例
こちらは、医療現場で使用される医療機器のPR映像に、プロダクトCGを活用した事例です。
製品の3DCGは支給されたCADデータをもとに制作し、正確な形状で再現しました。CADデータを起点にすることで、寸法・形状に忠実な精密なCG化を実現しています。医療スタッフが自身の業務をイメージできるよう、複数の使用シーンをグラフィックで構成し、企画からグラフィック制作・3DCG制作・編集までをワンストップで対応しました。映像用に加え、Webサイト掲載用の3DCGも同時に制作しています。一度制作した3Dモデルは映像にもWeb掲載にも展開でき、用途をまたいで活用できます。
実績詳細記事:医療機器PR映像用のプロダクトCG制作
実写と3DCGを合成し内部構造まで見せた事例
こちらは、健康・美容機器の紹介映像で、実写と3DCGを組み合わせた事例です。
リビングや寝室、テレワークのシーンを想定した空間を自社のハウススタジオに設営して実写で撮影し、毎日手軽にケアできる製品の特長を訴求しました。製品は3DCGで制作し、撮影では映せない内部構造を表現しています。
企画・撮影・モデルやスタイリストのキャスティング・3DCG制作・編集までをワンストップで手がけ、製品の使い勝手と技術的な特長の両方を伝える構成に仕上げました。使用シーンの実写と、撮影では映せない内部構造のCG表現を一本の映像に融合しています。
実績詳細記事:3DCGを活用した健康・美容機器の紹介映像制作
製品の動きと体への作用を3DCGで可視化した事例
こちらは、健康機器の新製品紹介映像で、製品の動きと体への作用を3DCGで可視化した事例です。
目に見えない内部の動きや、モードごとに異なる駆動部の挙動、体への働きかけを3DCGアニメーションで表現しました。リモコンの対応ボタンをハイライトさせる演出を加え、操作と製品の動きの対応を直感的に理解できる映像にしています。
企画・構成からグラフィック、映像編集、CG制作までをワンストップで対応しました。外から見えない動きや体への働きかけを可視化することで、製品の特長を直感的に伝える映像になっています。
実績詳細記事:健康機器製品紹介のためのCG映像制作
既存の3Dデータを流用し短納期・低コストで制作した事例
こちらは、同シリーズ製品の既存3Dデータを流用し、短納期・低コストで制作した事例です。
駆動部の構造や動きが共通していたため、過去に制作したデータを一部流用して映像を仕上げました。訴求点となる駆動部の動きは、CGアニメーションでわかりやすく表現しています。3Dデータを資産として蓄積・流用することで、シリーズ展開時の制作コストと期間を抑えられます。
実績詳細記事:プロダクトCGを活用した健康機器製品のCG映像制作
医薬品(錠剤)を高品質な製品CGで表現した事例
こちらは、一般用医薬品の広告用に、プロダクトCGと3DCG動画を制作した事例です。
錠剤をグラフィックではなく3Dで制作し、質感や立体感を高めて表現しました。アニメーションに緩急をつけ、製品の魅力が短い尺でも伝わる構成に仕上げています。広告用の映像に加え、同年度のキービジュアル制作もワンストップで対応しました。錠剤のような小さな製品でも、3D化によって質感や立体感を魅力的に表現できる点がプロダクトCGの強みです。
実績詳細記事:医薬品広告用のプロダクトCG制作
医療・ヘルスケア業界で3DCGを制作する際のポイント
医療・ヘルスケア分野の3DCGには多くの利点がありますが、準備なく制作を進めると、期待した効果につながらないこともあります。この分野ならではの注意点として、次の4つを押さえておくことが重要です。
- 薬機法・景表法に配慮した表現にする
- CADデータや仕様書をもとに製品を正確に再現する
- 活用シーンに合わせて見せ方を決める
- 医療・ヘルスケア分野の制作実績がある会社に依頼する
それぞれのポイントを解説します。
薬機法・景表法に配慮した表現にする
医療・ヘルスケア製品のCG表現では、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)と景品表示法への配慮が欠かせません。薬機法では承認された効能・効果の範囲を超える標榜が禁じられており、CGで作用や効果を過度に強調すると規制の対象になり得ます。景品表示法の観点でも、実物以上に性能や質感を優れて見せる表現は優良誤認にあたるおそれがあり、注意が必要です。
CGは表現の自由度が高いからこそ、効果や作用の見せ方は承認範囲と製品の実態に即して設計することが重要です。
最終的な薬事上の判断はメーカー側が担うため、制作の初期段階から自社の薬事担当と表現をすり合わせ、関係法令の確認を前提に進める体制が求められます。
CADデータや仕様書をもとに製品を正確に再現する
精度の高い3DCGを制作するには、CADデータや仕様書の共有が有効です。CADデータがあれば、製品の形状や寸法を正確に再現でき、モデリング工数の削減にもつながります。機密上の理由でCADデータを提供できない場合や、そもそもデータがない場合でも、仕様書や製品写真、フォトグラメトリを用いた制作が可能です。
CADデータや仕様書、製品写真など、参照できる資料が多いほど再現の精度は高まります。
活用シーンに合わせて見せ方を決める
同じ製品でも、学会・展示会、商談、マニュアル、Webサイトでは、適した見せ方が異なります。「誰に・何を・どの順番でどのように伝えるか」を事前に整理し、用途と尺に合わせてCGでの見せ方や構成を設計することが重要です。
たとえば専門家が集まる学会では構造や作用を詳しく示し、来場者の足を止めたい展示会ではインパクトを重視します。同じ3Dモデルでも、場面に合わせて見せ方を設計することで伝わり方は大きく変わります。
医療・ヘルスケア分野の制作実績がある会社に依頼する
3DCGの品質は、制作会社の技術力に大きく左右されます。医療機器をはじめとするヘルスケア製品は構造が複雑なうえ、薬機法・景表法への配慮も求められるため、医療・ヘルスケア分野の制作実績が豊富な会社を選びましょう。
また、企画・CG制作・撮影・編集を別々の会社に分けると、コミュニケーションコストと総額が膨らみがちです。全工程にワンストップで対応できる会社を選べば、品質とコストの両面で安定します。
制作会社選びの詳しい観点は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:プロダクトCG(製品CG)の制作事例と失敗しない外注先の選び方
医療・ヘルスケア業界の3DCG制作でよくある質問
最後に、医療・ヘルスケア業界のお客様からよくいただく質問と回答を紹介します。
医療・ヘルスケア製品のCG表現は薬機法に触れませんか?
3DCGを使うこと自体が薬機法に触れるわけではありません。ただし、表現内容が承認された効能・効果の範囲を超える場合は規制の対象になります。承認範囲に沿った表現にとどめ、制作段階から自社の薬事担当の確認を前提に進めることが必要です。
3DCGの制作期間はどれくらいかかりますか?
1〜2分程度の動画で、2〜3か月が目安です。打ち合わせに約1か月、CG制作工程に1〜2か月をみておくと計画が立てやすくなります。CADデータが揃い、映像の構成が固まっている場合は、さらに短縮できるケースもあります。
3DCGはどのようなデータ形式で納品されますか?
用途に応じた形式で納品します。動画はMP4などの動画形式、静止画はJPGやPNGなどの画像形式が中心です。事前に納品フォーマットを取り決めたうえで書き出すため、想定と異なる形式で納品されるリスクを抑えられます。3Dモデルデータそのものの提供可否は、案件ごとに相談のうえ決定します。
まとめ
医療・ヘルスケア製品は、内部構造の複雑さや搬入・撮影の制約、体への作用が外から見えないといった事情から、実物だけでは価値を伝えきれない場面が多くあります。3DCGを活用すれば、内部構造の可視化、動作や体への作用の説明、大型・開発中の機器の映像化まで、幅広い用途に対応できます。効果的な活用の要点は、薬機法・景表法への配慮、CADデータや仕様書の共有、活用シーンに合わせた見せ方の設計、そして医療・ヘルスケア分野の実績がある会社への依頼です。
CG制作会社のCG MAKERSは、自社専属のCGクリエイターチームが企画からCG制作・撮影・編集までを一貫して手がけています。東京・京都にはグリーンバック完備の自社スタジオを構え、最新鋭の設備やレンダリング環境も自社で保有します。見積もりから発注までWebで完結し、全国に対応可能です。
医療・ヘルスケア分野の3DCG制作を検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。




