2026.07.21
プロダクトCG(製品CG)の制作事例と失敗しない外注先の選び方
製品の魅力をどう伝えるかは、製造業や広告の担当者にとって共通の課題です。実物の撮影が難しい、開発段階で実機がない、多様な媒体に展開したいといった場面が増えるなか、その解決策として注目されているのがプロダクトCGです。近年はカタログやWeb広告、動画まで、プロダクトCGの活用の幅は着実に広がっています。
本記事では、3DCG制作を手がけるCG MAKERSの知見をもとに、プロダクトCGの主な制作物や仕上がりを左右する要素、失敗しない外注先の選び方を制作事例とともに解説します。プロダクトCGの外注を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
プロダクトCGとは
プロダクトCGとは、製品の形状や質感をコンピューター上で3DCGとして再現し、静止画や動画で表現する手法です。実際に製品を撮影する代わりにデジタル上で立体的に作り込むため、実物や撮影スタジオがなくてもビジュアルを制作できます。対象は工業機器から医療機器、化粧品、日用品まで幅広く、静止画のCG画像に加え、CGアニメーション動画も含みます。
写真・実写撮影とのもっとも大きな違いは、表現の自由度と柔軟性です。写真の場合、実物と撮影環境が欠かせず、光の映り込みや色再現に物理的な制約が生じますが、プロダクトCGなら、アングルやライティング、背景を自由に設定でき、色やパーツ違いも撮影し直さずに出力可能です。実物では再現が難しいビジュアルを意図どおりに作り込める点が、プロダクトCGの本質的な価値です。
プロダクトCGの活用が向いている製品の特徴

プロダクトCGは、とくに効果を発揮する製品の条件があります。ここでは、プロダクトCGの活用が向いている製品の特徴を4つの観点から整理します。
- 実物がない、または撮影が難しい
- 内部構造やパーツの細部を見せたい
- 色や製品のバリエーションが多数ある
- 実物の撮影では魅力が伝わりにくい
それぞれ詳しく見ていきます。
実物がない、または撮影が難しい
開発段階で実物が存在しない製品や、物理的に撮影が難しい製品は、プロダクトCGが効果を発揮する対象です。試作前や量産前で実機がない場合でも、設計データや図面をもとにビジュアルを制作できます。また、大型の産業機械のようにスタジオへ搬入できない製品や、逆に微細すぎて写真では捉えにくい精密部品も、CGなら表現可能です。
実物の有無に縛られずビジュアルを用意できることは、開発と並行して販促を進めたい企業にとっても大きなメリットです。
内部構造やパーツの細部を見せたい
製品の内部や細かなパーツを見せたい場合も、プロダクトCGが適しています。実物では分解や断面加工が欠かせない内部も、CGなら製品を傷つけることなく自由に表現できます。構造や断面、パーツの細部まで、製品の構造的な特徴や技術力の高さを分かりやすく可視化できる点が強みです。
工業機器や医療機器のように、内部の仕組みや技術力が製品価値に直結する分野では、内部まで示すことで製品の性能や信頼性を説得力をもって伝えられます。
製造業でのCG活用は、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
関連記事:【製造業向け】3DCG動画を活用するメリットと目的別の活用事例を紹介
色や製品のバリエーションが多数ある
カラーやサイズ、仕様の異なるバリエーションが多い製品も、プロダクトCGが向いています。一度3Dモデルを制作すれば、色や素材、パーツをデータ上で差し替えるだけで、すべてのパターンを同じアングル・同じライティングで出力できます。実写のように色違いごとに製品を用意して撮影する必要がなく、全バリエーションでビジュアルの統一感を保てる点が強みです。
新色や新仕様が追加された場合も、既存の3Dモデルから出力するだけで対応できます。展開する種類が多い製品ほど、一度作ったモデルを使い回せるプロダクトCGの強みが発揮されます。
実物の撮影では魅力が伝わりにくい
実物の撮影では製品本来の魅力が伝わりにくい製品は、プロダクトCGで訴求力を高められます。実写は撮影環境の影響を受けるため、光の映り込みや反射、周囲の色かぶり、個体ごとのわずかな傷や汚れなどにより、製品が持つ質感や色を狙いどおりに写しきれないことが少なくありません。金属の光沢や化粧品ボトルの透明感、素材の風合いは、こうした環境要因にとくに左右されやすい要素です。
プロダクトCGなら、ライティングや反射を最適に整え、製品本来の質感や色を安定して引き出せます。撮影では捉えにくいアングルや、製品の特徴がもっとも伝わる見せ方も柔軟に設計できるため、製品が持つ魅力を環境に左右されず正確に表現できる点もプロダクトCGの強みです。
プロダクトCGの主な制作物と事例
プロダクトCGは、目的や掲載媒体に応じてさまざまな形の制作物として活用されます。紙媒体の販促物からデジタル広告、動画まで、同じ製品データを起点に多様なアウトプットへ展開できる点が特長です。ここでは、プロダクトCGの主な制作物を、CG MAKERSの制作事例とともに紹介します。
- カタログ・チラシなどの販促物
- 商品パッケージ
- Web・広告用のグラフィック画像
- 製品のCG動画(3DCG動画)
それぞれ具体的に見ていきます。
カタログ・チラシなどの販促物
カタログやチラシ、パンフレットは、プロダクトCGが多く使われる制作物です。製品カタログの表紙や商品紹介ページ、営業用チラシのメインビジュアルなど、製品を主役に見せる誌面でCG画像が用いられます。1つの3Dモデルから、掲載面のサイズやレイアウトに合わせてアングルや構図を変えた画像を作り分けられるため、カタログ全体で統一感のあるビジュアルを揃えられます。
■CG MAKERSが手掛けた事例|カタログ・チラシ用のプロダクトCG画像制作

建設機械のカタログ・チラシ用のプロダクトCGを制作した事例です。実機の搬入や撮影が難しい大型機械を3DCGで再現し、誌面のメインビジュアルとして使用しています。製品の細部まで鮮明に描き、カタログとチラシで共通して活用できるビジュアルに仕上げました。
商品パッケージ
商品パッケージは、容器やラベルに使う製品ビジュアルとしてプロダクトCGが活用される制作物です。パウチやボトルのように形状が崩れやすい容器は、撮影ではシワや歪みで形が整わないことがありますが、CGなら形状を正確に再現し、パッケージ上でも整った見え方に仕上げられます。アングルやライティングをそろえた画像を作れるため、シリーズ商品を店頭で並べたときに統一感を出しやすい点も、パッケージならではの使われ方です。デザインの検討段階で、色違いや見せ方の異なる案を立体で確認できることも、パッケージ制作でCGが用いられる理由です。
■CG MAKERSが手掛けた事例|【3Dグラフィック・CG画像】パッケージ用3DCG制作

新商品のスポーツサポーターのパッケージに使用する、各部位の3DCG画像を制作した事例です。CGで制作した各部位の画像にサポーターを合成し、売り場で訴求力のあるパッケージになるよう仕上げています。
Web・広告用のグラフィック画像
Web広告のバナーやキービジュアル、SNS広告、ECサイトの商品画像など、デジタル媒体でもプロダクトCGが使われます。Web広告は掲載する枠によってサイズや縦横比が多岐にわたり、配信中に何度も差し替えたり、複数のパターンを出し分けたりすることも珍しくありません。3Dモデルがあれば、こうした多様なサイズや訴求違いの画像を、その都度撮影せずに展開できます。実写素材と合成して1枚のキービジュアルに仕上げる使い方も、デジタル広告でよく用いられます。
■CG MAKERSが手掛けた事例 |【広告バナー】Web用CG制作

撮影が難しいマテリアルをCGで表現した、Web用の広告キービジュアルの事例です。寝具のカバーは実写素材と合成し、CGと実写を融合させて制作。商品と素材の特徴が一目で伝わるアングルにこだわり、実写との融合部分も違和感が出ないよう細部までレタッチしています。
製品のCG動画(3DCG動画)
製品のCG動画は、実写では撮影できない動きや仕組みを映像として見せられる制作物です。製品内部の動作や、空気・液体の流れ、部品が組み上がる工程などは、実物の撮影では捉えられませんが、CGなら断面や透過、内部視点を交えながら表現できます。商品プロモーションや展示会向けのブランディング映像、機能・内部構造の可視化など用途は幅広く、展示会や企業サイト、SNS広告まで活用の場面もさまざまです。
■CG MAKERSが手掛けた事例 |商品プロモーション用CG動画制作
空気清浄機の商品機能紹介動画を制作した事例です。製品内部の構造や空気清浄の仕組みをCGで精密に再現し、フィルター機能や集じんプロセスを分かりやすく表現。空気の流れや内部パーツの動作を可視化し、カタログや静止画では伝えきれない製品価値を届けています。
プロダクトCGの仕上がりを左右する要素

プロダクトCGの品質は、制作のどの工程に力を入れるかで大きく変わります。同じ製品を扱っても、作り込みの深さやライティングの設計次第で、仕上がりの説得力には差が生まれます。ここでは、プロダクトCGの仕上がりを左右する主要な要素を、制作の工程に沿って解説します。
- モデリングの精度(形状・面取り)
- 質感(マテリアル)の作り込み
- ライティングの設計
- 用途・媒体に応じた表現の最適化
順に見ていきます。
モデリングの精度(形状・面取り)
モデリングの精度は、プロダクトCGのリアリティを支える土台です。モデリングとは、製品の立体形状をコンピューター上で作り込む工程を指します。形状を正確に再現することはもちろん、エッジの面取り(角をわずかに丸める処理)まで作り込むことで、CG特有の不自然さが消え、実物に近い印象へと近づきます。
現実の製品に完全に鋭い角はほとんど存在しません。そのため面取りの有無は、リアルさを分ける重要な差になります。細部の形状まで丁寧に作り込むことが、説得力のあるプロダクトCGの出発点です。
質感(マテリアル)の作り込み
質感(マテリアル)の作り込みは、製品のリアルさと魅力を決定づける要素です。金属、プラスチック、ガラス、布など、素材ごとの光の反射や透明感、表面の質感を精密に設定することで、実物と見分けがつかないほどのリアリティが生まれます。質感の再現度が低いと、形状が正確でも安っぽい印象になりかねません。
CG MAKERSでは、実物に近づけるため質感表現にこだわり、細部まで作り込んだOA機器のCG制作実績があります(OA機器のCG動画制作事例)。素材の質感をどこまで追い込めるかが、製品の価値を伝える鍵になります。
ライティングの設計
ライティングは、光の当て方で製品の質感や立体感の見え方を決める工程です。マテリアルをどれだけ精密に設定しても、光が当たらなければ金属の反射もガラスの透明感も現れません。ハイライトの位置で製品の輪郭や面の張りが決まり、陰影の付け方で立体感が生まれ、環境の映り込みで素材のリアリティが増します。
とくに反射や透過のある素材ほど、ライティングの巧拙が仕上がりに直結します。光源の数や角度、強さを調整し、製品の見せたい部分を際立たせながら、質感がもっとも伝わる状態を作り込みます。同じ3Dモデルでも、ライティングの設計次第で仕上がりの質は大きく変わります。
用途・媒体に応じた表現の最適化
用途に合わせた見せ方を選べているかどうかも、仕上がりを左右します。プロダクトCGは一つの3Dモデルからアングルや構図、見せる部分を選んで出力できるため、広告なら製品が最も映えるアングル、技術資料なら構造が伝わる角度と、用途に合った見せ方が求められます。同じ製品でも、この選択がずれると狙った効果は得られません。
作り込みの水準も、用途に応じて最適化する必要があります。質感やライティングを突き詰めるほどリアリティは高まりますが、用途によっては過剰になり、かえって伝わりにくくなることもあります。見せ方と作り込みの水準がその用途に最適化されてはじめて、プロダクトCGは狙った効果を発揮します。
失敗しないプロダクトCG外注先の選び方

プロダクトCGの仕上がりは、依頼する制作会社によって大きく変わります。技術力や対応範囲、料金体系は会社ごとに差があるため、発注前に見極めるべきポイントを押さえておくことが重要です。
ここではプロダクトCGに絞った外注先の選び方を4つの観点から整理します。
- 制作実績と得意な製品ジャンル
- 制作の進め方や対応範囲の柔軟性
- 複数媒体への展開力(Web・動画・カタログなど)
- 料金体系と見積もり内訳の明確さ
それぞれ確認していきます。
制作実績と得意な製品ジャンル
制作実績は、外注先を見極めるもっとも基本的な判断材料です。とくに、自社の製品に近いジャンルの実績があるかを確認することが重要です。
工業機器、医療機器、化粧品など、製品ジャンルによって求められる表現やノウハウは異なります。近い分野の実績が豊富な会社ほど、要望を的確にくみ取り、期待に沿った仕上がりを実現しやすくなります。実績を見る際は、制作物の種類(静止画・動画)や品質、対応した媒体まで確認しておくと安心です。
制作の進め方や対応範囲の柔軟性
制作の進め方や対応範囲の柔軟性は、初めて外注する企業ほど重視したいポイントです。プロダクトCGの発注では、依頼側で仕様が固まりきっていないことも珍しくありません。要望をヒアリングしながら形にしてくれるか、途中の修正や仕様変更に無理なく応じてくれるかは、制作会社の進め方によって大きく変わります。
また、対応してもらえる素材の幅も、あわせて確認したい点です。CADデータや図面があれば制作は進めやすいものの、実物や写真しか手元にないケースもあります。そうした素材からでも3Dモデルを起こせるかは、制作会社の技術力次第です。要望の変化にも手元の素材にも柔軟に対応できる会社ほど、安心して任せられます。
複数媒体への展開力(Web・動画・カタログなど)
複数の媒体へ展開できる体制があるかも、外注先選びの重要な観点です。プロダクトCGは、一度3Dモデルを制作すれば、静止画から動画、Web用や印刷用まで、同じデータを起点にさまざまな媒体へ展開できます。この展開力がある会社に依頼すれば、媒体ごとに別々の会社へ発注する手間が省け、コストも抑えられます。一つのデータを多用途に活かせる体制は、制作コストと運用効率の両面で大きなメリットになります。
料金体系と見積もり内訳の明確さ
料金体系と見積もりの内訳が明確かどうかも、必ず確認すべきポイントです。プロダクトCGの費用は、制作物の種類や点数、クオリティによって変動します。見積もりの内訳が項目ごとに示されている会社なら、何にいくらかかるのかが把握でき、追加費用のリスクも抑えられます。逆に一式表記だけの見積もりは、後々のトラブルにつながりかねません。料金の内訳を明確に示せるかどうかは、信頼して任せられる外注先かを見極める判断材料になります。
なお、CG制作の外注全般の進め方は以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:CG制作の外注方法|費用相場・依頼の流れ・選び方を解説
プロダクトCGに関するよくある質問
最後に、プロダクトCGの制作で多くの方が抱く疑問に回答します。
プロダクトCGの制作費用はどのくらいですか?
CG画像(静止画)は1製品・1アングルあたり7万〜15万円程度、CG動画は1分あたり60万〜120万円程度が目安です。
ただし、カット数やカラーバリエーション、求めるクオリティによって費用は加算され、動画の規模や構成の複雑さによっては数百万円規模になることもあります。正確な費用は制作内容によって決まるため、依頼時に見積もりを取ることが確実です。
費用の詳しい内訳は以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:CG制作の費用相場|料金を左右するポイントと内訳を徹底解説
プロダクトCGの制作期間はどのくらいかかりますか?
基本は2週間〜1か月が目安です。
内容により、1〜2週間で完了するものから、半年〜1年かかるものまで幅があります。たとえば1〜2分程度のCG動画は、構成のやりとりに約1か月、本格的なCG制作に1〜2か月で、トータル2〜3か月ほどかかります。発売や展示会など締め切りがある場合は、逆算して早めに動き出すと安心です。
CADデータがなくてもプロダクトCGは制作できますか?
はい、CADデータがなくてもプロダクトCGは制作できます。
CADデータがあればモデリングを効率化できますが、必須ではありません。図面や設計資料、実物、写真などをもとに3Dモデルを制作することが可能です。手元にある素材で対応できるかは制作会社によって異なるため、発注前に確認しておくと確実です。
まとめ
プロダクトCGは、実物や撮影の制約を受けずに製品を魅力的に見せられる制作手法です。カタログやパッケージ、Web広告、動画まで、一つの3Dモデルを起点に幅広い媒体へ展開でき、仕上がりはモデリングやライティングといった制作工程の作り込みで決まります。そして、その成果を大きく左右するのが、どの制作会社に依頼するかという選択です。
CG MAKERSのプロダクトCG制作サービスでは、プロダクトCGを静止画から動画までワンストップで手掛けています。自社専属のCGクリエイターチームと最新鋭の設備、東京・京都の自社スタジオを備え、幅広い製品・媒体に対応してきました。
見積もりから発注までWebで完結し、全国どこからでも依頼できますので、製品の見せ方やプロダクト外注先にお悩みの際は、CG制作会社のCG MAKERSへお気軽にお問い合わせください。



