2026.08.25
3DCG動画制作事例|空気清浄機の機能と仕組みを可視化
今回は、CG制作会社のCG MAKERSで手がけた3DCG動画の制作事例をご紹介します。
製品の内部構造や動作の仕組みは、実物を撮影してもなかなか伝わりません。カバーの内側に隠れた部品や、目に見えない仕組みは、実写では映しにくいためです。3DCG動画であれば、こうした「見えないもの」を分かりやすく可視化でき、発売前の製品であっても映像として表現できます。
本記事では、空気清浄機の機能や内部構造を3DCG動画で表現した事例と、伝わる3DCG動画に仕上げるためのポイントをご紹介します。CG動画制作の外注を検討されている企業のご担当者様に、制作の流れや見せ方の工夫が参考になれば幸いです。
3DCG動画制作の概要
ご依頼主ー東京の生活雑貨や家電を扱う商社様ー
今回のご依頼主は、生活雑貨や家電を幅広く扱う東京の商社様です。これまでもJPCでは、掃除機や扇風機など、機器の内部構造を見せる3DCGの制作を継続してお手伝いしてきました。
ご依頼内容ー空気清浄機の機能紹介動画の制作ー
ご依頼いただいたのは、新しく発売する空気清浄機の仕様や機能を3DCG動画で表現する機能紹介動画の制作です。内部の構造や空気清浄の仕組みを精密に再現し、フィルター機能や集じんのプロセスといった特長を、視覚的に分かりやすく伝えることを目指しました。
3DCG動画制作のポイントー内部構造をリアルに可視化ー
本案件の制作ポイントは、以下のとおりです。
- 実物とCADデータに基づくリアルな質感再現
- 内部構造と空気の流れを分かりやすく見せる工夫
- 映像チームと連携したアングル・演出設計
実物さながらの質感と、見えない内部構造や空気の流れを分かりやすく可視化することで、製品の機能が直感的に伝わる映像に仕上げています。具体的な流れは、次章で詳しくご紹介します。
3DCG動画制作の流れ
実物とCADデータをもとにした質感設計
制作は、ご依頼主から実物とCADデータをお預かりするところから始まりました。参考画像だけでなく実物の見本があったため、質感付けの作業はスムーズに進みました。外側の黒いプラスチックのザラついた質感や、フィルターの金属部分の粗さなど、実物に近い材質を細部まで再現しています。

質感の表現にはV-Ray(=リアルな質感や光の当たり方を再現するレンダリングソフト)を使用。また、網状のフィルターは、糸を一本ずつ作るとデータ量が膨大になり動作の負荷になってしまうため、平面に格子状のテクスチャを貼り、糸の隙間の部分を透明にする処理を行うことで、データ量を抑えています。
内部パーツの見せ方とライティング設計
内部のパーツがこの動画の主役です。そのため、外側から見ても中のファンが見えるようにライティングを調整するなど、構造が伝わる見せ方を意識しました。
また、実物どおりに再現するだけでは、細部が小さく分かりにくい箇所もあります。そこで、プレフィルターの網目やプラズマ集じんフィルターについては、間隔をあえて実物より広げてモデルを調整し、視認性を高めました。

プラズマ集じんフィルターでは、微粒子をキャッチしている様子が伝わるように見せ方を変更しています。

映像チームと連携したアングル・モーション調整
内部のフィルターは演出が難しく、アングルの調整を何度も重ねました。俯瞰、上斜め、その反転など、さまざまな角度を試しながら、映像チームと相談して最適な見せ方を探っています。
JPCでは、CG制作と映像制作の担当が近い距離で作業しているため、直接席まで相談に行き、実際のCG画面を見てもらいながらアングルを詰めることができました。こうした密な連携で、演出に必要なシーンや素材をスムーズに揃えることができています。
アニメーションとエフェクトの制作
アングルの方向性が固まったあとは、アニメーションの制作に進みました。冒頭では内部のファンが動き、カメラが斜めに動きながらフィルターが外に飛び出すシーンなどを制作しています。

進め方としては、まず最初と最後のシーンを静止画で確認いただき、その後アニメーションへと移りました。透過のタイミングや秒数、フィルターが飛び出すモーションなど、テスト映像を何度もやり取りしながら細部を調整しています。
プラズマ集じんのエフェクトは映像チームが付けますが、その際、エフェクトを付ける範囲を3D側から指定してお渡ししました。3Dのデータ上で直接指定できるため、正確な範囲を共有できます。
3DCG動画の完成
完成した動画がこちらです。
塵や風のエフェクトともあいまって、内部の構造や空気清浄の仕組みが見やすく伝わる映像に仕上がりました。
伝わる3DCG動画に仕上げるためのポイント
伝わる3DCG動画に仕上げるには、見た目のリアルさだけでなく、準備の仕方や見せ方の工夫が欠かせません。ここでは、仕上がりを左右するポイントをご紹介します。
実物や参考画像・データ・資料を集めてから作り込む
3DCGの質感やディテールの再現度は、制作前にどれだけ参考材料を集められるかで大きく変わります。というのも、CGはゼロから質感をつくるため、手がかりが少ないほど「それらしく見えるが実物とは違う」仕上がりに近づいてしまうからです。
実物があれば表面のザラつきや光の反射を直接確認でき、CADなどの寸法データがあれば形状を正確に再現できます。加えて、参考画像は完成イメージのすり合わせに、仕様資料は素材や色の裏づけに役立ちます。集められる材料の種類が多いほど、後戻りが減り、質感を実物に近づけやすくなります。逆に材料が乏しい場合は、制作前にどこまで用意できるかを依頼側と確認しておくことが、完成度を左右します。
見せたいポイントを意識してアングルを決定する
アングルは、なんとなく見栄えのする角度を選ぶのではなく、「何を見せたいのか」から逆算して決めることが大切です。製品全体の形を見せたいのか、内部の特定の部品や動きを見せたいのかによって、選ぶべき構図や寄り引き、カメラワークは大きく変わります。伝えたい内容が定まらないまま角度を決めてしまうと、見栄えは良くても何に注目すればよいか分からない映像になりがちです。
まずカットごとに「ここで伝えたいこと」を一つに絞り、それが最も伝わる構図を選ぶ。この順序を意識するだけで、一つひとつのカットに役割が生まれ、全体として無駄のない構成になります。
狙いに合わせてCGの魅せ方を工夫する
CGは実物を精密に再現できますが、実物どおりが常に最適とは限りません。たとえば細かい部品が密集している箇所は、忠実に再現するほど小さくつぶれて伝わりにくくなることがあります。
そうした場面では、大きさや間隔をあえて調整して視認性を上げたり、ライティングや動きで注目してほしい部分を際立たせたりと、狙いに合わせて見せ方を寄せていきます。ポイントは、”正確さ”と”分かりやすさ”がぶつかったときにどちらを優先するかを、動画の目的から判断することです。ブランドの世界観を見せる動画なら正確さや美しさを、機能や仕組みを説明する動画なら分かりやすさを優先する。この判断こそが、伝わる映像とそうでない映像の分かれ目になります。
3DCG動画制作まとめ
今回は、空気清浄機の内部構造や機能を可視化した3DCG動画の制作事例をご紹介しました。実物やデータをもとにした質感づくりから、見せたいポイントに合わせたアングル・エフェクトの調整まで、「分かりやすく伝える」ことを重視して制作を進めています。
CG MAKERSのCG映像・3DCG動画制作サービスでは、CG制作から映像制作までワンストップで対応できる体制を強みとしています。CGと映像の担当が近い距離で連携できるため、内部構造の可視化のような難しい演出も、相談しながらスムーズに形にできます。製品の3DCG動画に限らず、幅広いジャンル・業界の3DCG動画制作に対応しています。
企画のアイデア出しから制作・仕上げまで一貫したサポートを行っておりますので、3DCG動画制作をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。




